北杜市のスロ−ライフな歩き方

第6回 【スノーシューで雪上散歩しませんか 2006.1.1】

〜サンメドウズスキー場から5分でそこはバックカントリー〜

(歩行時間70分)

標高1900mの雲上で跳んだりはねたり転んだり遊んでいる彼らは一体何者?


左はご存知、大泉のサンメドウズスキー場。今回はここのバックカントリーを散歩します。

「散歩」といっても雪を見るとヒトの本能は不思議、犬のように転げまわって喜ぶ大人達が続出します。冒頭のような光景があちこちで繰り広げられました。ただ歩くだけではつまらない。見て、感じて、跳んで、はねて、思い切り楽しむ、スノーシューイングとはヒトの本能を呼び覚ます、そんな新しい冬のウォーキングなのです。

 

コースはリフトを利用して、いきなりゲレンデTOPへ上ります。といってもゲレンデを下って来る訳ではありません。森の奥深く入って、手付かずの自然を楽しみながら下りて来るのです。

リフト代、片道800円です。

歩くことが出来る方なら練習不要なスノーシューですが、リフトの乗り降りだけちょっとした注意が必要です。

1)まず、初心者の場合はスノーシューをつけないで乗った方が無難です。スノーシューを履いたまま乗るのは2回目からにしましょう。

2)スノーシューをつけてもつけなくても、リフトに腰掛けたらすぐに足をあげてください。スキー板と違って、靴又はスノーシューは滑りませんから、雪面につけたままですと、イス(リフト)の進行を妨げます。ブザーが鳴ってリフトが止まり、他の方に迷惑をかけてしまいます。
3)下りたらすこし早足ぎみに、進行方向左手へ進みます。ここでもたもたしていると後ろからスキーヤーがス〜ッと下りてきますから、邪魔になります。

以上です。後は楽しいスノーシューハイクが待っています。楽しみましょう。

ツァー参加の場合やガイドを頼めば、履き方から歩き方から、丁寧な講習会がありますのでご安心を。

ここでもう一つのご注意。スノーシューそのものは大変簡単な道具ですが、相手は冬の自然です。初めての方が始めてのコースを一人で歩くのはやめましょう。霧で目の前が真っ白になってしまう場合もあります。道を良く知っている方と必ず一緒に歩いて下さい。

   さあ、まずは景色を堪能しましょう。雲海の上の富士山が見えますか?

  南アルプス連峰。日本第二位の高峰北岳が雄大です。

こういう景色を見られるだけでも大満足。「コタツDEみかん」じゃ勿体無いですよ。

皆さんも是非冬の凛とした雄大な景色を味わいに来て下さい。

リフトを降りてから少し上った所に記念写真が撮れるスペースがあります。

この笑顔!もう皆さん、これからの展開にわくわくしています。

では、張り切って歩き始めましょう。

リフト山頂駅まで戻って、夏の登山道をぐんぐん下っていきます。

2枚の写真をご覧下さい。登山道の看板です。今日のコースの入り口に立っています。
ここを「美し森」の方へ下って行くのです。
左のような積雪量があるときは、踏み跡が消えている場合があります。木の枝に付けられた赤いリボンを目印に歩いて下さい。ふわふわで楽しいスノーシューが期待できます。そのかわり先頭のヒトはラッセルが大変です。先頭を交代しながら歩きましょう。
右のような積雪量の時は登山道がはっきりと凹んでいますから道に迷う心配はありません。しかし、岩がゴロゴロしています。雪でできたコブなのか下に岩があるのか分かりません。藪も出ています。 ちょっとスノーシューには不向きかな。慎重に歩いて下さい。
歩き始めて5分でスキー場の喧騒とは無縁の森の中に入り込んできました。まるで別天地です。

ここには自分達しかいません。深閑とした森に、自分達の笑い声が吸い込まれていきます。不思議な感覚。

雪深い時は地面と雪面で1mくらい違いますから、登山道を歩いていても頭に枝がぶつかります。

いつもと違う視線が新鮮です。

ここは夏ならば急斜面の岩場です。

写真にすると傾斜角が分かりませんが、かなり急です。こういう箇所は尻滑りで下りていきます。これがなかなか楽しいのです。かなりスピードが出ますから間隔をあけて順番に滑りましょう。スノーシューの醍醐味の一つです。

本格的な冬山登山を楽しんでいるように見えますが、ここはサンメドウズスキー場すぐ横の森です。何かあったらすぐ駆け込むことも出来て、危険は何もありません。

冬山経験どころか、スキー、スノーシュー等の経験がなくても、誰でも来られる別世界なのです。スノーシューとはそういう道具です。

冬の世界のイメージがガラリ変わります。

 
あっ、鹿の糞だ。

雪の上に残された様々な痕跡は、この深閑とした世界に今いるのは、決して私達人間だけでないことを教えてくれています。

冬は夏よりも動物達の息遣いが感じられます。さあ、アニマルトラッキングを始めましょう。

あっ、又糞だ。

これはウサギです。年々減少していくノウサギですが、雪山では必ずそのかわいらしい足跡に遭遇します

ころころして手のひらに乗せても臭くありません。べとべともしません。草しか食べないので繊維が丸まっているだけですから。

これがウサギの足跡です。

どういう歩き方をしているのか、どっちへ向かっているのか、ウサギの歩く姿を想像しながら考えてみて下さい。

これはウサギが齧った笹の葉です。

食べ物のない冬、動物達は餌探しに大変です。

雪から顔を出す緑の物は何でも食べてしまいます。

ほら、こちらは茎だけになってしまった笹

動物達が何を食べているのか、その痕跡(食痕といいます)を探して歩くのも又、楽しいものです。

 

すぐに別の食痕を発見しました。

鹿です。鹿が木の皮を齧ったのです。

山ではお馴染みの食痕ですが、

おや・・何か光っているぞ??

青い矢印の先に小さく光っているのは樹液です。

この食痕は比較的新しいようです。

鹿は木の皮だけでなく、きっとこの樹液も楽しんだことでしょう。どの木の皮とどの木の樹液が美味しいのか知っているのかもしれませんね。

鹿が角を研いだ跡も見つかりました。

雄鹿は毎年春に角を落として、新しく生え変わらせるのですが、角を研ぐという行為は、武器を磨くというより、刺激を与えて角を落としやすくさせる、という意味があるようです。

鹿の足跡。これも冬のフィールドでは珍しくないものですが、この足跡を見るたびに、どうしてあんな重い体をした鹿が、あんなに細い足で歩いて、雪の上を沈まないで歩けるのだろうろと、不思議 に思います。

エサを求めて必死に歩いているのですね。皆一生懸命生きているんだなあ、と感じてしまいます。

キツネの足跡

リスの足跡

 キツネは犬と違って足跡がぶれず、一直線上に続いていく。このキツネはヒトの歩いた跡を利用して歩いている。さすがというべきかなんというべきか。右の写真はリス。リスは必ず木から木へ向かって足跡が続く。上っていくのか、下ってきたのか、足跡を見ながら判断するのは楽しい作業 です。
 このように動物達の様々な痕跡から動物達の行動や生態を推理することを「アニマルトラッキング」といいます。私達がコタツに入っている間にも、冬の森では野生動物たちが一生懸命自然と闘って、命を次代に繋ごうとしています。それらの痕跡に出会うだけでも、私達には心弾むことですが、一歩進んで、彼らは一体何を食べているのか、どこで寝ているのか、今この足跡は何をしていた所なのかなど等、彼らの気持ちになって推理してみると、一層冬の世界が奥の深い、そして 躍動に満ちた世界であると実感できます。
あっ、何かが動いた!!
カモシカです。

このコースは時としてカモシカに遭遇できるのです。

天然記念物です。鹿と違って人と出会ってもいきなり逃げようとはしません。私の安いデジカメ(光学三倍レンズ)でもこのように撮れました。

ほんとうに「手付かずの自然」が残っています。

これだけの光景や動物達の息遣いを我が物に出来るのです 。こんなエリアを身近に持つ北杜市民は贅沢で幸せです。

ただ残念ながら、この世界を実際体験している人はあまり多くありません。北杜市の皆さん、今年こそ身近な冬の大自然を体験してみて下さい。スノーシューをつけて歩くだけでいいのです。

 

休憩中。チョコレートなどを数粒口に入れます。熱い紅茶とビスケット、サワーブレッドにホットワインなんていう人もいます。お茶の時間に各自の工夫が楽しめるのもスノーシューのいいところ。

ところで、赤いウエアは目だっていいですね。迷子になった時や、ガス(霧)が出てきた時などに最適です。

 

 

防火帯という広い空間に出ました。森林火災の延焼を食い止めるために設けられました。

ここが休憩にピッタリの場所なのです。時間があればチーズフェンデュなどで雪上ランチを楽しみましょう。極上の時間が流れます。

雪の上の時間をいかに楽しむか。これがスノーシューイングの醍醐味です。

 

広い雪原に人型をつけて遊んだりします。

雪の上では大人も子供もありません。

皆おおはしゃぎ。

散歩がこんなに楽しいなんて!

休憩の後もひたすら下ります。

登山道ですから所々にこういう看板が顔を出しています。「美し森」を目指して行きます。今回は「美し森」までは行きませんが、車2台で行って、1台を美し森駐車場に置いておけば、それも素晴らしいコースとなります。

今回は車1台で行く「周遊コース」のご案内をしています。サンメドウズ出発、同到着です。

どんどん下っていって又元のスタート地点に戻るのだから、帰りはずっと上りだろうと参加者が心配しています。が、心配後無用。スタート地点でリフトを使い、一気に1900m地点まで上っていますから、下っているだけで元の地点に戻れるのです。

こんなラクチンなコースはないですね♪

もう天国です。

露天風呂につかっているのではありません。

このまま帰ってしまうのが勿体無いので、しばらく雪風呂(?)を楽しんでいるのです。

  (昨年の写真)防火帯を下る。
  いつもは静かなこのコースも時々大会が行われます。大勢で歩くのも愉快です。
  さて、コースは画面の雪がちょうど切れているように見える所から、右と左に分かれます。
  右は美し森方面、羽衣の池経由、サンメドウズへ。このコースには旧たかね荘前から
  10分くらいの上りが含まれます。全120分の楽しいコースです。
  左は直接サンメドウズリフト山麓駅方面への近道。上りがまったくありませんので、
  疲れた方や、時間のない方は左の近道を選択できます。全70分のお手軽コースです。
  今回は左を選んで、ゴールといたします。

 

こんな穴を見つけました。冬の終わり頃の雪原でよく見かけます。太い木の根元の周りでよく見かけますが、今日はこの細い木の周りだけ、しかもここ1箇所だけに穴があいていました。なんでだろう?

 上の2枚の写真をご覧下さい。雪の下に覗く空間が異常に青いです。実際はこの画面よりもっと真っ青です。どこを掘っても真っ青です。自分の足跡さえ青く光ってしまいます。
 これは雪に混ざり物のない証拠です。太平洋側からの低気圧で雪が降ると、このようにきれいな雪となり、大陸方面に起因する低気圧の雪には煤煙や黄砂などが混ざって、青く反射しません。(ちなみにこの2枚は去年撮ったものです) 今年は大陸からの低気圧が異常に強いようですから、なかなか青くはならないでしょう・・・。
 という私なりの予報を出してみましたが、果たしてどうなりますやら。
 そんなことまで気にしながら雪で遊ぶのもまた一興です。

さあ、ゴールも近くなってきました。思い思いに最後の記念写真を撮りながら歩きます。

スキーをしたことのない72歳のおばあちゃんから、小学校低学年生まで、誰もが楽しく歩けました。

山麓駅に到着。ここでまたもや記念撮影。お疲れ様でした。

雪の不思議や、アニマルトラッキングの方法も知りました。

絶景・大展望も楽しめました。雪の上で飲む紅茶も美味しかったです。

皆さんの生き生きした笑顔が、スノーシューの楽しさを物語っていますね。

今シーズンは冬が楽しくなりそうです。皆さんと又、雪の上でお会いしましょう。


【付録その1】

ガールスカウトの面々も参加してくれました。皆さん初めての体験でしたが、随分楽しまれました。やっぱり笑顔が物語っていますね。

 

【付録その2】

雪上ランチも醍醐味ですが、サンメドウズのチーズフォンデュもお奨めです。

スノーシューがいくら楽しいといっても、やっぱり寒い外で体力も使うスポーツですから、ランチには大いに気を使いましょう。そして楽しみましょう。

 さて、文中にも書きましたように、スノーシューそのものは大変簡単な歩く道具ですが、フィールドは雪山です。冬の大自然が相手です。今日のコースは短くて危険のないコースではありますが、標高1900mから歩くコースです、霧が出てきていきなり目の前が真っ白になることもあり得ます。最初は、夏の登山道を何度も歩いて地形も頭に入っているというベテランや、地元のガイドと一緒に歩くことをお奨めします。
 という理由で、コースガイドよりも、スノーシューの楽しみ方を重点にご報告致しました。さっそく私も歩いてみたいという方は、下記にお問い合わせ下さい。コースやレンタル、ツァーやガイドのことなど、詳しく教えてくれるでしょう。
八ヶ岳スノーシューイング倶楽部 0551-32-5888
サンメドウズ 0551-48-4111