アニマル トラッキング入門 実践編と理屈編 

●実践編:なにはともあれフィ−ルドに出かけて見ましょう (2003.2.25 於 八ヶ岳清里 キ−プ協会)
フィ−ルドに行くと、さわやか系のお兄さんが待っていてくれました。参加者にとっては、まず講師の品定めから、既にアニマルトラッキングが始まっております(^_^)v

体育会系、オタク系、地元のオジサン系、おねいさん系、お嬢様系、学者風系、ダジャレ系、探検家系、環境保護系、ともかくいろいろな種が棲息しています。芸風が合わなかった場合はその日の面白さが半減します。それだけに彼らの勉強ぶり、楽しんでいただこうというマジメな取り組みぶりはハンパではありません。

前日までの準備といい、当日早朝の事前下見といい、あっぱれな仕事振り。

最初の数分間で我らをとりこにしたK君。お見事。既に我らはK君の奴隷です。右へはいはい、左へキョロキョロ。いつの間にか彼の指揮どおり楽しく動いているのでした。

一度こういう会に出ておくと、次に自分達でアニマルトラッキングに出かける時の楽しさが倍増します。

アニマルトラッキングとは何か。そのノウハウなどを教えてくれています。ただ単に足跡や糞を見て「キツネだ、テンだ」と発見してればいいのじゃない んですね(~_~;)。

「推理」という要素が入ってはじめて「トラッキング」なのだそうです。「トラック」という名詞に「ing」がついて動詞になっているのはそこに意味があるのだそうです。

つまり、全体を見て物語を推理し、組み立ててみる。

う〜む、足跡だ。なんの足跡かな。そうか多分キツネだ。北から南へ移動したな。きっと腹が減っていたな。なぜなら南には人家がある。そこのゴミ捨て場あたりに向かったに違いない。

おや、ここで逡巡した形跡があるぞ、そうか、向こうには獲物の影が見え、コチラには食べ物の臭いがする。どちらへ行った方が確実にエサにありつけるか悩んだな。しかしここから急に歩幅が大きくなって右へ向かっている。ということは、獲物を狙って走り出したのだ。ふむふむ、果たして獲物は取れたかな。

と、見事な推理をして、獲物を捕獲したと思しき方向へ歩き出そうとしたYさんは、「まってくださいよ、ヒトの足跡がほぼ平行についてますね」というK君の声に我に返りました。「ヒトの足跡がほぼ平行についているなら、これは人間が犬を散歩していたにすぎません」という御宣託にキャイ〜ン(T_T)
しかし、その見事な推理こそ、トラッキングであると誉められました。自分の持つあらゆる知識、経験則を生かして、そこからどんな物語が構築できるか。それがトラッキングの楽しさであるとK君は力説されておりました。そしてその推理は場数を踏めばかならず、当たらずとも遠からずの推理になってくるので心配はないというのです。

肝心なことは、 一に現場保存。二に全体を見ること。その痕跡だけでなく、広く全体を見て、流れのなかで推理すること。いやぁ、まるでシャ−ロックホ−ムズか明智探偵か(古い^_^;)


足跡を見て、あ、これはクマだと分かっただけではだめで、足跡の周囲を見渡し、その前後の物語を楽しむのがアニマルトラッキングの楽しみ方だと知りました。ということは、動物の生態や食性 や、木々の冬の様子など、、勉強することが沢山あります。奥がふかいんだなぁ〜と実感しました。

気を取り直して、先に進みます。おっ、何か発見。

小さな足跡が点々と続き、ここで突如消えています??

神隠しにでもあったのでしょうか?地下に潜ったのでしょうか?

タカかトビににさらわれてしまったのでしょうか?

深まるばかりのナゾにK君がヒントをくれました。

「コレなんでしょね?」と丸印に囲まれた痕跡を指差しました。

足跡はちょうどその痕跡のところで消えているのです。

答えは鳥の羽根の跡でした\(◎o◎)/フェ〜ッ

鳥が羽ばたいていった跡だというではありませんか、フ〜ン!

そんなの初めて(^_^;)

ところで野生動物というのは、しばしば自分の足跡をつかって後戻りをするのだそうです。

上のケ−スは鳥が飛び立ったので足跡が消えたわけですが、どうみても哺乳類の足跡が途中で消えているという場合でも、神隠しや宇宙人に捕獲されたのではないのだそうです。

多分敵をかく乱する方法として有効だからではないかと推測されています。

K君の背中のザックからは様々な小道具が飛び出してきます。

ウンチ模型まで登場(掲載を見合わせました^_^;)。

画用紙くらいのマジックボ−ドを取り出して、学校の先生のように何か書いては消し、書いては消しして分かりやすく説明してくれました。

←こんなのや

←こんなの。

上はリスで下はウサギです。

地面にしゃがんで走り方の実演まで交えて大奮闘。

実演されると分かりやすいのです。

あれ?よ〜く雪の上を見てください。小さな足跡が木のところで消えています。足型は上の絵の「リス」と同じでした。つ〜ことは!!

まず足跡をよ〜く眺め、方向を確認。フムフム木から下りて画面手前の方に来ているではありませんか。つ〜ことは!!

樹上でマツボックリを発見したリスが、そいつを口にくわえ、木を滑り降りてきて手前の(小さな小川の流れる谷を越えて)安全な林のなかでたべようってぇ寸法だなっ、と推理。

多分その推理は当たっています。足跡は点々と向こうの谷に続き、小川のあたりで消えていました。きっと水も飲んで喉を潤したかもしれません。

そのあたりでこんな木も発見。鹿が木の皮を食べた痕跡です。

彼らは硬い木で角を研ぎ、柔らかい木の樹皮を食べます。エサの見つけにくい冬場、動物達は必死なのですね。

こうしてみると、私達の知らないところで、本当に様々なドラマが展開されているのです。一見森閑とした冬の森や草原にも、命のドラマが昼夜営まれていることが分かります。私達にはお遊びのアニマルトラッキングも、野生動物たちにとっては一生懸命自然と闘っている命の痕跡なのでした。そこには私達が入り込めない掟と、犯してはならない約束がありました。私達は遊びながら、笑いながらアニマルトラッキングをしているうちに次第にそういうことが分かってきました。簡単には目の前に現れてくれない野生動物たちですが、この雪の下に、あの森の中に、あの樹上に、沢山の命が躍動していることを思うと、みんな負けるなよ、がんばれよっと、声をかけずにはいられません。多くのことを感じさせてくれた大自然とレンジャ−に感謝です。ありがとうございました。

●理屈編:ただ今編集中。しばらくお待ち下さい。

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