ホタルについての「へー、そうだったのか」
 
1)水辺のホタル(水生ホタル)は世界的に大変希少な存在です。
 世界にはおよそ2000種類のホタルがいますが、確認されている水生ホタルは僅かに8種類だ
 けです。その中の3種類が日本のゲンジ、ヘイケ、クメジマです。
 
2)日本には46種類のホタルがいますが、大部分は沖縄など南西諸島に棲息し、しかも上の3
 種類以外は一生を地上だけですごす陸生ホタルです。
 
3)光るホタルは原始的グループです。
 日本の46種のホタルのうち、光るホタルは14種類しかありません。
 ホタルは原始的な種ほど夜行性ですから、コミュニケーション手段として光りを媒体にする他は
 ありません。それが昼間も飛ぶようになると光りは役にたたなくなりフェロモンを発するようにな
 りました。フェロモンの方が光りより広範囲にコミュケーションが取れるので優位となります。つ
 いに「マドボタル」のメスのように翅さえ退化させてただフェロモンを出すというホタルが現れまし
 た。オスは必死に飛んでメスを探します(~_~;)
 
4)ホタルの語源
 紀元前の中国の周公という人の著作に「腐った草が蛍になる」とあります。
 日本書紀には「保多留」という文字が見えます。おそらくホタルという発音だけが輸入されて「保
 多留」という字が当てられたのだろうと思います。貝原益軒は「ホタル」を「火垂る」と解釈し、小
 野蘭山は「星垂る」と解釈しました。
 
5)ゲンジとヘイケの語源
 ホタルを山伏と呼ぶ地方が日本中にあります。「ほー、ほー、ほーたる来い」の歌も「ほー、ほ
 ー、山伏来い」と歌われます。山伏というのは修験者で、夜、提灯を持って山を歩きますが彼
 らは別名「験師(げんじ)」と呼ばれました。ここから「ゲンジボタル」という呼び方が生まれたとい
 う説があります
 もう一つ、「かがり火も 蛍も ひかる源氏かな」という句があります。1633年に出された「犬子
 集」という俳句集です。「かがり火」も「蛍」も「源氏物語」の中の帖にあるではないか、といった
 程度の意味かと思われますが、そこから源氏ボタルという名が広まった、という説も有力です。
 1645年に出された「毛吹草」という句集に「夏の夜は 蛍も照らす 平家かな」という、まるで上
 の句に対抗するかのような句が詠まれています。句の意味はよくわかりませんが、先に「源氏
 蛍」の呼び名が定着していたようですから、それに対抗するホタルを「平家」としたのは日本人
 には素直なやり方だったのではないかと思われます。
 
6)竹取物語のかぐや姫とヒメボタル
 「ヒメボタル」は陸生で光るホタルです。竹林を好みます。竹林で光るホタルを発見して「竹取物語」が誕生した、と推理がされています。かぐや姫は求婚してきた男性に「子安貝」を持ってきて下さいと難題をだしますが、実はヒメボタルの幼虫は貝をエサにしています。又、かぐや姫は10歳で月に帰っていきますが、10歳を10ケ月に置き換えると、丁度幼虫から成虫になる期間と一致します。月に帰ろうとするかぐや姫を兵士たちが邪魔しますが、金色まばゆく光りで目をくらませ、無事天に帰っていきます。ヒメボタルの光りはやや青緑がかったゲンジやヘイケと違って金色なのです。