2004’ホタル日記  〜 山梨県小荒間水田周辺を中心に〜
■8月14日 (土) 20:00

ゲンジ3匹発見。いつもの叢で光っていた。飛んでくれなかった。しかし今日はこれで満足。よく生きていてくれたものだ。ヘイケのほうには行かなかった。もう今年のホタル見学散歩は終わりにしましょう。完全にいなくなるまで続けるのはつらい。

コオロギも毎晩激しく鳴いている。ペルセウス流星群も来た。そろそろ秋。お盆の送り火とともに帰っていくのがこの辺のホタルである。又来年会えるかどうかわからないが、今年はひとまず、ホタル君、さようなら 。ありがとうね、楽しませてくれて。

■8月11日 (水) 20:00

あいかわらずゲンジ君が頑張っていいる。といっても毎晩数匹だからいつ消えてもおかしくない。しかしたとえ1匹でもゲンジの光っている姿は感動を与える。真っ暗な叢で一生懸命点滅している姿は自然の摂理そのもののようで、多くのことを考えさせ、感じさせてくれる。

お客様はナマのホタルを見るのは初めてというケ−スも多く、1匹であんなに明るいとは、とまず驚いてくれる。

ヘイケ君をさがしに言ったが、こちらはいよいよ滅亡か。今日は初めて1匹も出会えなかった。教科書ではヘイケの方がゲンンジより遅くまで生存していることになっているのだが、まあ、教科書は必ずしも真を伝えない。地域地域の気候等微妙な要件がからんでおり、全国全てが同じ条件ではない。

数年に渡る私の独断観察によると、ここ八ケ岳のホタルたちはヘイケもゲンジも出現期間に顕著な差はない。棲家も、ゲンジは清流、ヘイケは田圃や湖沼となっているが、案外そのテリトリ−をどちらも犯して棲んでいる。どちらかというとヘイケが川に棲んでいる場合も多い。

さて、そろそろホタル観察散歩も終わりだ。明日暑ければもう一回行ってみよう。

■8月10日(火) 遠雷 20:00

ここのところ雷の夜が続く。夕立のような雨も降る。今晩はうまいぐあいにホタル観察散歩の時は雨が降っていなかった。しかし空は時折ピカピカとふるえ、ゴロゴロの音も時に遠く時に近く、大気は不安定である。しかしこういう晩はホタルが出てくれる

ゲンジが5匹くらいいた。ヘイケがゆらゆら懐中電灯の方に向かって飛んできてくれたのには一同大歓声だった。

しかしもう何日も前から書いているように、ホタルシ−ズン終了間近なのは間違いない。これからはホタルを「見る」のではなく「探す」散歩だ。夜の闇、川のせせらぐ音、星月夜、その他夜にまつわる様々な思い出や情緒を楽しみながらホタルを待つ時間は大人には案外素敵なひと時となるが、お子様には退屈な時間だ。まだ「ホタル見学」が目的で来てくださる方、これからはそういうつもりで来て下さいね。

今晩のお客様は「遠雷、夏らしくていいわね」とちょっとイキなことをおっしゃってくださった。

もっとも、雷が鳴るようではもう夏も終わりである。梅雨の終わりに雷が鳴るように、しばしば夏の終わりにも雷が鳴る。

昨日コオロギの声を確認した。コオロギとホタルを同時に確認できるなんて、まさに季節の境ではないか。そういえば一昨日が立秋だ。コオロギも正直だなあ、立秋のあとすぐに鳴きだすなんて・・。

今歳時記を見たら、雷が夏の季語で稲妻は秋の季語だった・・・。

今日の1句 「遠雷に 道を失う 落ち蛍」 ありゃ、季語が2つ入っちゃった(~_~;)

■8月8日(日) ちょっと蒸し暑い 8:00

私には蒸し暑く感じた夜だったがお客様たちは「寒い」という。下界からみればここは標高1000米の別天地なので私たちには蒸し暑くても下界の住人の方々にはとても涼しく感じられ、中には「寒い」という方もいる ようだ。

もうすぐお盆、お盆をすぎれば本当に寒くなりますけどね・・・。夜は半袖では外にでられないのではないかな・・。そんな中、まだホタルがいてくれるのがありがたいじゃありませんか。

今日はなんとヘイケが2〜3匹飛んでくれていた。昨日雨の中むりやり見に行ったがいなかったので、もはやこれまでかと思ったのだが、今晩のお客様はラッキ−です。

もちろんゲンジもしっかり見ました。ゲンジも飛んでくれました。

帰り道私は流星に遭遇。いよいよペルセウス流星群がやってくるが、今夜見たのはその前触れかもしれない。これからはホタル&流星散歩にしよう。首がつかれるけど(~_~;)

■8月6日(金) 雷の夜 8:00

遠くで雷が鳴っている。音はあまり聞こえないが稲光で空がピカピカと輝き、子ども達が怖がっている。おまけに昨日よりは蒸し暑い。こういう時は蛍が反応してくれる。

案の定川に下りていくとすぐにゲンジボタルが光っているのが見つかった。4〜5匹いただろうか。

雷は稲妻というが如く、稲の生育によいと言い伝えられている。どういうメカニズムがそこにあるのか知らないが、蛍にもいいようだ。点滅する光に幻惑されてつい反応してしまうのかもしれない。一昨年も同じような晩があった。やはり蛍はよく出てくれた。

この分ならヘイケも、と期待したが、残念ながら1匹だけ。しかしそれは空高く舞い上がっていたのをお客様が発見し、皆でオ-っあんなところに!と歓声をあげながら見ることができたので、まあよかったということにしよう。粘ったがヘイケはそれ1匹だけだった。

■8月4日(水) 涼しい夜 8:00

ゲンジが3匹飛んでいた。やっぱりホタルは飛んでくれなくちゃ。たとえ3匹でも飛んでくれるとそれなりに夏の夜が賑わう。あたりの空気が華やかになる。

よしよし、とヘイケを見に行くと、こちらは高い木の梢に止まってさかんに点滅していた。ただし1匹だけ。田圃の方からはなんの応答もなし。かわいそうに、1匹では子孫が残せない。もう今年の夏のヘイケはおわりなのだろうか。

参考までに昨年と一昨年のホタル日記を読むと、8月4日はまだまだよく出ていた。

そのかわり、今年は7月28日の夜にみた衛星(イリジウム衛星というのだそうだ。一瞬火球のように大きく光って、とても華やかな衛星だ)に今晩も出会い、夏の夜が楽しくなっている。

昨年までもホタル見学しながら星空観察もして人工衛星も良く見ていたのだが、何故か火球のように光る衛星には出会わなかった。新しく最近打ち上げられた衛星なのだろうか。

今晩は甲府盆地の灯りも良く見えて、蛍、夜景、人工衛星、星と、夜光るものオンパレ−ドを楽しむこととなり、それなりに満足のいく散歩だった。小学生の女の子が日記に書いて先生にみせるんだと張り切っていたが、人工衛星がピカッと突然光ったなんて書いて、信じてくれるかなあ。よほど田舎に住んでいて夜空を見ることが好きでないと、先生だってそんなもの見たことないだろう・・。

■8月3日(火) 涼しい夜 8:00

都合によりお客様だけで見学に行っていただいた。ゲンジもヘイケも4,5匹ずつ見えたとのこと。よかったよかった。

■8月2日(月) 涼しい夜 8:00

このところ涼しい夜が続いている。蛍はかろうじて生き延びている。空振りということはないが、特にヘイケボタルに会うのは根気がいる。

普通ゲンジがはやく滅び、ヘイケは夏の中ごろまで生存しているのだが、何故か今年はまだゲンジの方が威勢がいい。この涼しさではやくもヘイケ滅亡かと思わせる。

体の大きさからみても、ゲンジの方が体力はありそうで、気候や温度の変化などに適応できそうだ。なのしろヘイケときたらスイカの種くらいしかない。小学生諸君、ヘイケボタルを作るのは簡単だ。真っ黒なスイカの種の先端を少し赤く塗り真ん中に 縦に黒いスジを入れる。種をひっくり返してお尻の方を黄色く塗る。種をひっくり返して、というところがポイント。できれば黄色は蛍光塗料がいい。これでヘイケのできあがり。沢山作ったらついでに田園風景の箱庭も作る。あとは好きなところにホタルを捕まらせる。いや〜、先生から誉められること間違いなし(^_^)v

ところで、今年は異常に虫が少ない。ハエ、蚊、ゲジゲジ、カエル、蛾、その他・・・。生活には大変いいことだが、自然界では困ることだ。ホタルが少ないことと無縁ではあるまい。我家前の棚田の圃場整備がまだ続いているので、多分そのせいだろう。大地を根こそぎひっくり返されては虫たちのすむ所がない。

■7月29日(木) 小雨 8:00

昨日と打って変わって雨。小雨だが少し肌寒い感じ。月もすっかり隠れて、なにやら陰気な空気。それでもせっかく蛍を楽しみに来られたお客様なので、ご案内する。傘をさしての見学となった。川に何匹かいてくれたのはまったくの幸運というべきか。数匹の蛍に歓声をあげてしばらく見入る。

ゲンジを見たからにはヘイケもというので、田圃へ。こちらは着いてしばらくでなかった。懐中電灯作戦もむなしく、帰ろうかと思ったとき、1匹が田の真ん中で光だし、ふわ〜っと飛び上がった。皆で歓声をあげると、それに応えるかのようにこちらに向かって飛んできてくれて、ふわふわふわふわと、ヘイケらしく滞空時間の長い飛翔を見せ、我らの周囲を半周ほど廻ってくれた後、さらに林の中へ飛んで、消えていった。大歓声である。今日はこのパフォ−マンスに皆大満足。

帰りにゲンジの点滅を再度確認して、雨の観察会を終える。

さて、昨晩の句会。和気藹々としたなかにも忌憚の無い批評が出て、ハタで見ている私の方が緊張した。お互い遠慮の無いやりとりは、長い付き合いがもたらす信頼感からか。俳句の如何なる入門書を何度読んでも、やはりこういう句会に出て場数を踏むというのか、人の批評を素直に聞き入れるというか、そういう場がないと上達しないのだなあと感じた。口から出る一言一言の批評に無駄が無く、なるほどそうだった、そうなのかと、目からウロコの連続であった。

「蛍火の一つ強きはさびしかり 慶子」などはまさにこのあたりの蛍にふさわしい。群れをなして乱舞しないここの蛍は、1匹オオカミの如く、或いは1匹が各々のテリトリ−を主張するが如く強く孤独に光っている。宗匠が「形容詞が2つ使われている」と指摘したが「そこをあえて分かった上で使った句ですね、上手い」と続けた。

「土石流ありし谷にも蛍まふ」というのも地元人としては嬉しい。

「蛍には蛍が見えて水の音」というのもここの蛍を詠むのにふさわしい。広い河原でほんの数匹が離れ離れに点滅しているのは、お互いの姿が見えないのではないかと人間様は思う。そこを詠んだ句だが、下の「水の音」に批評が集まった。他に何かないかというのである。誰かが「上の二句で充分意を尽くしている」と言った。すかさず宗匠が「五七五では長すぎる」とつぶやいた。う〜ん、すごい批評だ。

蛍火に男もこえをあげにけり 征良

さっきよりやや遠ざかる恋蛍 小坡

ほうたる来いいつしか母を追っており 正作

地に蛍天に蠍の星赤し 由起子

夏北斗喝采浴びて光けり 善朗

最後の句は蛍を詠んだ句ではないが、この夜の星空を眺めた俳人達の歓声がすごかったのですかさず題に頂戴したのだ。

総じて「蛍を詠むのは難しい」という声が多かった。あまりにも俳句にマッチしすぎた生き物だからだろうか・・。確かに古今の句にも蛍を詠んだ名句というのはあまり聞かない。

■7月28日(水) 深夜 台風が千葉沖にいるそうだが、こちらは関係なし。

本日は俳句の先生、宗匠の皆さんをご案内してホタル観賞散歩。満月をひかえた12日の月で今日は又雲も無く見事な月明かり。果たしてホタルは光ってくれるかやや心配ではあった。

星もよく出ていた。サソリ座のアンタレスが月と肩を並べて出ており、その他の夏のお馴染みの星たちも総出演で輝いていた。これだけ月の明るい空によくもまあ、星たちもくっきりと出てくれたものだ。こういう晩を星月夜というのだろう。まずは皆さん星に歓声をあげてくれて出だし好調。

皆さんに「天の川はみえませんか」と訊ねられたが、この月明かりではさすがにそこまでは見えません。「幾たびも川の深さをたずねけり 子危(~_~;)」というやつだ

定石どおり川に下りた。さっそく1匹光った。しかも飛んでくれた。今晩はかなりホタル君もサ−ビスが良い。これで皆さんのってくださり、我も見んとて前のめり、という按配。

星もそうだが、ホタルも、見ようと真剣な人の前に現れる。これは不思議なことだが経験則として確かにそういうことが存在する。今晩はまさにそういう夜となった。川のあちらでもこちらでも歓声があがった。

次に田圃へ廻りヘイケを探した。最初の数分間こそいなかったが、まもなく1匹発見すると、続いてあちらでもこちらでも見つかった。

ホタルの数こそ多くないが、全員が万遍なくホタルの第一発見者となったのではないだろうか。ホタルを手にとって皆で覗き込んでいるところなど、いつも子どもたちがやっている姿となんら変わらない。皆好奇心のかたまりだ。「てにとりてふわりとかるきほたるかな 蛇骨(~_~;)」

少し場を離れてさっそく作句にいそしんでいる方もおり、なかなかいい雰囲気である。

人工衛星まで見えて、皆さん、上を見たり下をみたり忙しい。ところで今日の人工衛星は一瞬火球のように大きく光ったが、あれは本当に人工衛星だったのだろうか。人工衛星も太陽光の反射具合で一瞬火球のように見える場合があるのかどうか知りたい。

夜10時から句会。披露された俳句をいくつか紹介したいが、また明日にしましょう。もうネむいです。

■7月22日(木) 20:00 一昨日甲府で39.9度、昨日は40.4度。まったく異常な夏である

だいぶ日記をさぼってしまいました。ホタル君は出ております。最近夜になるとすぐ眠くなる私ゆえ(~_~;)あまりPCに書き込む時間がありません(~_~;)

今晩は眠くないので、ちょっと報告を書いてみましょう・・。川のゲンジは相変わらずあまり飛び上がらず、叢の中で点滅を繰り返すのみ。田圃のヘイケも今日は5匹もいなかった。 それでもゲンジに比べれば割と飛び上がってくれたのでまあいいか。木の上でミニミニクリスマスツリ−を再現してくれたので皆大喜び。

一匹の蛍が子ども達の手のひらでたらいまわしにされていたが、逃げずに30分ほどおとなしく「俎板の上の鯉」ならぬ「掌の上の蛍」になっていた。 ヘイケホタルのメスだった。皆ホタルの小ささに驚いていた。こんな小さいのになんであんなに光が目立つんだろう、というのである。フフ、そのとおりだね、自然には不思議が一杯だ。

本当はホタルはヒトの掌に上などに乗せるとすぐ弱って死んでしまうのであまり良い行為ではないが、ここがジレンマのしどころ(?)だ。

はっきり言ってこれだけ環境を荒らされた小荒間の蛍は、もはや絶滅を免れない。1匹掌に乗せたか乗せないかの問題ではない。ならば、子ども達に少しでも蛍の実物を目の当たりに見せて記憶に留めさせたほうが良いのではないかと 私は考える。自然の不思議を体感させたい。

昆虫採集の考え方でいつも論争になるのだが、子どもらが昆虫採集するから昆虫が絶滅するのではない。人工的な環境の開発と汚染が昆虫を激減させているのだ。子どもら が昆虫採集をするくらいの数はものの数ではない。

ただ動物愛護的な考え方でいくと、たとえ相手が昆虫でも命は命。絶滅するしないの問題ではなく、捕獲して殺してしまうような昆虫採集などという野蛮な行為はやめさせたい、という教育的配慮(?)が近年教育界を支配している。

しかしそれも不思議な話だ。森や林や田畑という昆虫の住処を根こそぎ開発してしまったり、ゴルフ場であれ田畑であれあらゆる場面で農薬を大量散布するような、いわば大量の殺戮には目をつぶって、個人の採集には監視員が目を光らせているという図は本末転倒ではないのか。

ホタル1匹くらい掌に乗せて遊ばせるくらいのことが許されなければ、今後ファ−ブルのような偉業もルナ−ルのような傑作もまず生まれてこないだろう。

という理論の下に、私は子ども達にホタルを触らせております(~_~;)

自然保護派の皆さま、ごめんなさいネ。

■7月14日 (水) 20:00 山梨県内で38.6度を記録。 八ケ岳は涼しい夜を迎えた

川に下りたら、すぐに1個の強烈な光を発見。しばらく見ていると、オ〜、今晩は今年一番の出だ。といっても20匹いるかいないか。よく光っている。飛び上がっているヤツもいて、なかなかサ−ビスが良い。

しかし何故かゲンジらしからぬふわふわ飛びで力強さがない。蛍に幽玄を求めるお客様には喜ばれた。

次に田圃へ。初め1匹もいなかったが、例によって懐中電灯をチカチカさせたらものの10秒もたたないうちにあちこちで光り始めた。こちらは2秒間隔のまぎれもないヘイケである。ざっと3〜40匹というところか。今年一番の出である。ふわふわ飛びで幽玄そのもの。空高く梢めがけて飛び上がっていくヤツもあり、ヘイケも今日はサ−ビス満点だ。

今日のお客様もホタルは初めてとおっしゃる。そうでしょうそうでしょう、私だってこっちへ引っ越してくるまでホタルなんて見たことがなかった(椿山荘の催事以外^_^;) 私より若い人で子どもの頃に見たなんていう人はいないのかもしれない。

でもなぜか蛍というのは誰の心にも郷愁を誘い、安らぎを覚え、見るとほっとするという世にも不思議な昆虫である。

稲作とともに日本の隅々まで広がり、日本人の心の奥深くまで入り込んだ蛍は、私たちのDNAになんらかの痕跡を残して、まもなく絶滅しようとしております。

養殖までして絶滅を少しでも遅らせるのが正しい道なのか、よくわからない。延命治療がムダでないというのなら、私も少し力になるかという気になりかかっているところだが・・・。

ところで今晩も星がきれいだった。蛍が夜空に舞い上がって、星と紛れて見失ってしまうなぞはもう幽玄の極致というべき。蛍が消えてざわめきがおさまった星空のなんと澄んだ姿よ。サソリの餌になったか、白鳥の餌になったか、はたまた蛍そのものが星になってしまったか。夢想するだに楽しい。

そういえばホタル座というものが夜空にないのは一体どうしたことか。西洋ではホタルを愛でる風習などなかったか。

■7月10日(土) 雨上がりの涼しい夜 20:00

久々に涼しい夜となった。午後からやや強い雨が降って、今晩のホタル見学散歩が危ぶまれたが、夕方にはすっかり晴れて、星も見える夜となった。

川に下りて川面をみなで見つめていたら、誰かが上空に1匹発見。え〜っ上空に!?と一斉に見上げる夜空に星がまぶしい。「ホタルじゃなくて星じゃないの?」なんて言ってたら、確かに星のようなホタルが1匹空に舞っていた。皆ウオ〜ッと大感激。白鳥座が真上にあった。

しばしホタルの飛翔を楽しみ、次にいつもの田圃へ。ここにもいたいた。最初のうち数匹しか見えずに、しばらくみなで田圃を見つめていたら、ここでもさっき上空にホタルを見つけた人が、「上にいる!」と叫んだ。またもや「え〜っ」とみなで首を上に向けると、大きな木の上のほうの枝先にまるでクリスマスツリ−の星のように1匹だけ光っていた。ウワ−ッ蛍探しの名人だね、とみなでその方に感謝。

しばらくしているうちに、田圃の光の数が増し、ふわふわと上空を飛び始めてくれた。数はせいぜい10数匹のようだったが、サソリ座も北斗七星も見えて、今晩は星と蛍の競演の素晴らしい夜となった。

さらに甲府盆地のあたりから小さく花火もあがって、「星、蛍、花火」と光るものシリ−ズのオ−ルスタ−が揃ってしまった(^_^)v

帰りに川を覗くと、ゲンジがいたいた。あまり飛び上がりはしなかったが、あちこちで光っていた。刈られた草の間からなんとか生き延びた蛍が、そろそろ顔を出し始めてくれたのだ。がんばれ蛍。

■7月7日(水)曇り 20:30 東京は37度だった由。こちらは夜になってやっと蒸し暑さがとれた。

15匹くらいいただろうか。ゆっくりと田の上を漂っていた。

帰り際、川の上を猛スピ−ドに平行移動しているゲンジがいた。何かを追いかけていているような、意識してスピ−ドをあげているような、そんな感じの飛び方だった。

彼らの飛翔能力は一体どのくらいのものだろう。時速と一度の飛翔距離をしりたいものだ。

のんびりしたヘイケの舞いを楽しんだ後の思いがけないゲンジとの出会いだったから、ちょっと驚いたのと、はっきりとその飛翔能力の違いが分かって、得した気分の晩となった。

■7月3日(土)曇り 20時 昨日満月 月の出は21時を過ぎる

7月に入り、もう当館前で安心して見られる。暗い木のトンネルを潜って、いつもの田圃へ。いたいたヘイケだ。しばらく見学。じっとみていると一斉に飛び上がって、一斉に静かになった。先日は一斉に点滅したところも見たが、もしかしたらホタルにも他の群れる生物、例えばイワシやムクドリなどと同じように、誰がリ−ダ−かは分からぬが、誰かが合図をすると一斉にその合図に従って動くというようなことがあるのだろうか・・・。

川にゲンジがいてもいい時期だが、今晩は1匹しか発見できず。やはりあの村人総出の草刈がいけなかったか、毎度書くことだが、あの中途半端な草刈はどうにかならないものか。刈った草をそのままにして終るから川は草の死骸だらけ。茎の長い草が川面をぶ厚く隠して累々と横たわる。それがそ のまま白く枯れて腐って、川は見るも無残な姿だ。別に蛍のためになどと言わない、川の見た目と川の命を考えた草刈にしてくれ。惰性の草刈はもう良い。

今日は由佳の通う塾でも息抜きに蛍見学に連れて行ってくれたそうだ。小淵沢の松向(だったかな)を流れる川。橋の上から見て大満足したそうだ。あそこはゲンジが活発に活動していて、見物人も多いところだ。なるべく多くの人にホタルを見ていただきたい。関心を持つことが肝心だ。

最近絶対やらないと誓った蛍の保護・繁殖に興味が出てきてしまった・・。まずい。1匹のホタルが成虫になるまでに20匹のカワニナが必要ですなんていう話を聞いては、う〜むなんとかしてやろうかなあなんて思ってしまうじゃないですか・・。

■6月26日(土) 曇り 20時 上弦の月 一日中蒸し暑い日

当館前を散歩する。いたいたいた(^_^)v 昨年の田圃に行ってみたら、そこでは今年初めてのホタルと出合った。ゲンジだ。いいぞ。割と視野が広く見渡せるそのポイントは、目を凝らすと遠くの方のあちこちでゲンジがゆらゆら光っているのが見渡せる。目で捕まえたのは30匹くらいだろうか。

オオムラサキセンタ−の時と棲息空間がまるで違うから、ホタルは上空に高く飛び上がらず、地上1〜2米のあたりを水平移動している。ツイ〜ッ、ツイ〜ッと時にすばやく時にのんびりと飛ぶ様は、メダカのようでもあった。

雲の多い夜だったが、沈みかけた上弦の月が周囲を青く照らして、目の前に広がる田園空間はまるで静かな水の底のよう。ホタルは深海に遊ぶ、光る生物のようにも見えた。

よし、ことしも安泰だ。これから約約1月半頑張っていただきたい。ちょっと長いけどね。

■6月20日(日) 晴 20時 2日続けて朝から蒸し暑かった。

今晩はすごいホタルの数だった。場所はオオムラサキセンタ−内水車公園あたりを流れる川。宮川といいます。

毎年横着して、自分の家の近くにホタル前線が上がってきてからでないと張り切らないこの日記ですが(~_~;)今晩はお客様の要望もありオオムラサキセンタ−に出かけて見た。

いや〜、いましたね〜(^_^)v いままで見た中で一番いました。数百匹といったところです。日本野鳥の会に数を数えて欲しかった。

この川は片側に背の高い森が続き、川の上空を真っ黒に覆っている。ホタルの棲息空間としてはこれ以上ありません。毎年書くことですが、ゲンジホタルにはきれいな水があるだけでは居住空間として失格なのです。上空に暗くて湿った立体空間がないといけません。ホタル同士点滅しながら交尾の相手を探す訳ですから、探したり、追いかけたり、逃げたり、遊んだりできる暗くて広い空間が必要なのです。成虫となったホタルの棲家は水の中ではなくて空中なのですから。

河川工事でホタルが絶滅する理由の一つに、両岸の木々を伐採してしまうということも挙げられるのです。

その点ここは、川の左岸に黒々とした森が続き、ホタルにとって恰好の棲息空間になっている。つり橋から眺めるとホタルの点滅している立体空間が川に沿って奥へ奥へと続いていて、まるで向かい合わせに置いた鏡の中の空間にホタルがどこまでも浮遊している感覚だった。立体感が素晴らしい。

今度は川に沿って遊歩道があるのでゆったりと歩いてみると、まるで連続したリスマスツリ−が川の向こうにあるようにさえ思えた。

しばらく夢つつで眺めていると、今度はホタルたちの点滅がシンクロし、一斉に点いたり消えたりし始めて、もうため息。NHKのドキュメンタリ−番組でしか見られないと思った大群のホタルのシンクロ点滅が、こんな身近でみられるなんて、もう大感激なのでした!!!

二日続けて蒸し暑く、甲府は夏日だったという好条件に恵まれたのでしょうか。一度こんなホタルを観賞してしまうと、我家近くのホタルなんて、いまさら人に紹介できないくらいのものだが、それはそれ、これはこれ。標高1000米のゲンジもまあ悪くないと割り切って、頑張っているホタル達を眺めていただき、いろんなことを考えていただくとありがたいと思います。

我家あたりまでホタル前線があがってくるのはもう間近。

■6月8日(火) 雨 20時 金星が太陽面通過

すっかり遅くなってしまったが、今年最初のホタル観察にでかけた。いましたいました、秋葉公園のゲンジ君たち。ざっと見て20匹くらいだろうか。1年ぶりの再会だ。よかったよかった、今年も会えた。

だが、今日はひどいものを見てしまった。今年のホタル日記の第一日目から怒り心頭の文章を書きたくないが仕方がない。HPの日記の方に書いたものをそのまま以下に転載します

■そろそろ蛍の観察をはじめようと、長坂町の秋葉ホタル公園にでかけた。もうビックリ、オドロキ、アキレテ、声も出ない。

長坂I.C近くにできたばかりのモ−テルが、もの凄い光の束を空に放射しているのは知っていた。日記にも書いた。まるで特大のガトリング砲で光を空に放っているようだ。それが、なんと、この公園の正面から丸見えだったとは!!本日行って気づいたことだ。

この公園には入り口に擬木の太鼓橋があって、それを渡って公園内に入ることになっているのだが、なんとその橋を渡っていると丁度正面にその光が飛び込んでくる按配となっていた。

これから蛍を見ようと言うのに、まず目がくらむ。親子で蛍見学の時などに、子どもに「あの光なあに」と聞かれたらなんと答えよというのだろうか。

まったく腹が立つ。サ−チライトに対する規制はないそうだが、光害という言葉がある。町は蛍公園の景観損害と蛍の生息環境破損の名目で訴えることはできるはずである。

今晩は入り口近くの保育園が、防犯のためか、無用とも思える灯火をつけぱなしにしていた。毎晩なのか?今日だけか? 

それでなくともここはインタ−に近くその灯りやら、町にも近いのでその灯りやらが、見え隠れしているのだ。ホタル公園周辺はもはや光の海である。

おまけに近くの小学校のグランドにナイタ−設備があり、夏になるとよく夜遅くまでついている。

それなりに必要な灯りなら点けるなとは言わない。しかし町をあげてなんとかホタル公園を守ろうという気概が見えないのはどういうことか。裁判という強行手段がふさわしくないなら、周囲から漏れてくる光などは植栽でかなり防げる。無粋だが壁や塀をつくるのも一つの手だ。なんらかの対策を講じて欲しい。

このままでは、町はやっぱり作ったら作りっぱなし。蛍なんかどうでもよかったのだろう、作った建設業者がその時儲かリ、町の関係者は賄賂を貰えば。というふうに勘繰られかねないぞ。

■5月下旬くらいから日記を開始します。今年度は桜を初めとして色々な花が早かったからホタルも早いかな? それとも植物と昆虫、動物達は違うサイクルで生きているのだろうか・・・。

■私のホタル観察フィ−ルドだった小荒間の棚田が、現在上の写真のようになっています。圃場整備といいます。う〜〜むむ・・・・。

■ついに小荒間水田のホタルは絶滅か・・。「沈黙の夏」にならぬよう祈りつつ時期を待とう。

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