八ヶ岳B級名所案内
  1ヶ月に2箇所程度のご紹介を、と考えていましたがナゼか急ピッチ(~_~;)
  先日始まったばかりなのに本日は早くも4回目。
  鉄と想いは熱いうちに。  本日は「鯛焼き」のご紹介。
■およげ八ヶ岳高原のたい焼きくん。

すっかりさびれた感のある長坂商店街を歩いていると左のような看板が空にかかっていました。まだ新しい看板です。
長坂商店街には珍しい「煤けていない看板」です(~_~;)
「八ヶ岳高原のたい焼きくん」と大書した字が私にはナゼか眩しく感じられました。
長坂商店街といえば昭和初期まで近隣地域の買い物客を一手に集めた一大繁華街として有名で「長坂」であることを誇示しても「八ヶ岳高原」であることを謳うなどということはありませんでした。(その傾向は今でも残っているように感じます)。
が、しかぁしッ! ここは堂々と「八ヶ岳高原」の名物としてたい焼きくんを売り出しているのです。アッパレだなぁ。 「八ヶ岳」が大好きな私はもうこれだけでココのファンとなりました。
これは明らかに「何らかの意思」を持って営業しているに違いありません。その意思とは?を確かめるべく店内に。
 

 

こんな店構えです。左のガラス戸を開けて中に入ると

ナゼか店内に旅の情報誌が! ここは旅行会社?

「旅の情報でも仕入れながら茶ァでも飲んでゆっくりしてけし」というお店の方の心配りと読みました。

   

「こんちわ〜」と声をかけると、すぐに奥様がでてきて下さり、にこにこ笑顔でこの対応(*^^)v 
 
「今日はたまたま午前中にYBSの「ともちゃんちの五時」というTV番組の取材があったので、いろんな鯛焼きがたっぷりあります」というのでした。
 
こちらも取材であることを継げ、自分のHPに「B級名所」を紹介していると伝えると、笑ってOKしてくださいました。
私自身は「B級」というのは褒め言葉の意味で使っているのですが、なかなか取材対象に面と向って「B級」とは言い出しにくいのです。けれどもこの奥様なら解って下さると思い、失礼ながらそう伝えたのですが、すぐに理解してくださったのが さすがです。♪
ここの鯛焼きは一風変わっています。まず食感がモチモチ。柔らかなお餅を食べているような感触がなんともほのぼのとあたたかくユニークです。「鯛焼きの皮はパリっとしなきゃ ネ」という方にはオーブントースターで焼くことをお薦めします。中はモチモチ のまま表面はパリっとなるから不思議です。
たい焼きといえば中身はあんこですが、ココのはチョコレート、小倉、抹茶、カスタード、ゴマ味と多彩。さらに海苔を巻いた磯辺まであるのです。季節によってはブルーベリーや栗やさくら、さらに野沢菜もあるらしい!? もうこれは鯛焼きという世界を完全に超越しています。和菓子洋菓子のオイシイ 味を鯛焼きという形を使って表現した立派なオリジナルスィーツと申せましょう。
 

私のイチオシは紅白の鯛焼きくん。
こんな愛らしい鯛焼きくんを結婚式、卒業式、誕生日などの記念日に出したら喜ばれることウケアイです。
紅白の餅というのは昔からありますが、紅白の鯛焼きというのはなかなかありませんですよ、秀逸です。

ホラ→

紅白の鯛焼き(光の具合で紅く写らなかったけど)を黒塗りの盆に乗せて出 してみました。結納の日のお茶うけにもピッタシのメデタさじゃありませんか。
 
選挙の出陣式に、当選祝いに、新社屋落成記念に、社長就任祝いに、黄綬褒章受賞記念に、運動会に、還暦の祝いに、お受験合格祝いに、娘がお嫁に行く日の夜、鯛焼きでしみじみと、なんてのもありかもネ(^_^;)。もちろん「なんでもない日」にも遠慮なく食べましょう。鯛焼きくんのいいところは「いつでも、どこでも、だれにでも」です。いや〜コンビニエンス、日本のファーストフードだったのですね。
 
 
ところで、ココの正式名称は「八ヶ岳高原のたい焼き あけぼの」といいます。
で、一番上の看板の写真の右下に「互福洋品店あけぼの」と書いてあるのが読めますか。
「洋品店」と「たい焼き」の両方「あけぼの」なのです。一体どういうワケが?と聞いてびっくり。ココは栄華を極めた長坂商店街の歴史を今に伝えるお店だったのです。
「三越にも負けない何でも売っている商店を長坂に作ろう」という気宇壮大な心意気で株式会社をおこし、総合デパート「互福商店」としてスタートしたのが始まりだとか。1棟の中に3軒が共同で、食料品店、荒物屋、衣料品店、履物屋、茶屋などを営み、家具から傘、鞄など「ないものはない」という状況で、近在の買い物客はこぞって来たそうです。これが大正6年といいますから、国鉄中央線に長坂駅が開業する1年前のことです。すごいですね〜、その先見の明。
駅が開業してからというもの は、諏訪の製糸工場に通う女工さんやら、繭取引所も長坂に出来たため、繭の取引に集まる人々やらで大いに繁栄しました。
この時代、芥川龍之介が「八ヶ岳夏期大学」の講師として招かれて来八つしたり、東山魁夷が旅館に逗留して絵を描きに来たり、八ヶ岳南麓の文化の中心としても長坂は盛っておりました。が・・・。
世界大恐慌、太平洋戦争と暗い時代が続き、高速道路が通る時代となって、長坂商店街は次第に寂れていきました。

3軒で始めた互福商店は「お互いに福があるように、お客様にも福があるように」という理想を掲げて名づけられましたが、そのうちの「互福洋品店」が現在の「あけぼの」なのです。今でも学生衣料を扱っています。(ちなみに我家の娘も中学生時代ココにお世話になりました)
 
たい焼きを4年ほど前から始めましたが、先代が「昔のように長坂に繁栄の時代が来るといいね」と願って「あけぼの」と名づけたそうです。
 
いやはや、思わぬ勉強をしてしまいましたが、「八ヶ岳高原たい焼きくん・あけぼの」はやっぱり、「再びこの地に太陽が昇るように」という素敵な意思をもって開店したお店なのでした。私のニランだ通りでした♪
がんばれあけぼの、がんばれたい焼き! まさに「およげたい焼きくん」と声をかけたくなるお店なのでした。
 
たい焼きはどれも1個¥100(ゴマのみ¥120)
おまかせミックスは6個で¥500
明日さっそく買いに行ってみてください。
観光客の方、お土産として買っても大丈夫ですよ。自宅に帰って一つ一つラップして冷凍保存しておけば長期間食べられます。


2009年 8月22日記

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